遺言とは、被相続人の最終の意思表示のことです。相続財産の承継について、被相続人ご自身の意思を反映させることが可能となります。ただし、遺言はただの遺書とは違い、法律で定められた方式で作成されたものでなければ法的効果を生じません。
せっかく遺言書を作成したにも関わらず、遺言書が無効になってしまったということにならないために、遺言書の種類、作成方法、法的効果等を知っておく必要があります。
けやき宇都宮弁護士法律事務所では、遺言書の作成から、書き方、メリット等、全ての相談を承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
法律で定められた普通方式の遺言としては
があります。
⑴ 自筆証書遺言
●作成方法
自筆証書遺言は、遺言者の意思の正確さ・確実さを担保するため、自筆証書遺言は厳格な要式行為とされています。
具体的には、自筆証書遺言は、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押す必要があります。
また、自筆証書遺言中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押す必要があります。
もっとも、自筆証書に一体のものとして財産目録を添付する場合には、当該目録に限り、自書による必要が不要となっております(この場合には、財産目録の全ての頁に署名・押印が必要となります。)
■メリット
手軽に作成が可能、費用がかからない
■デメリット
無効となる可能性が高い。作成しても発見されない可能性がある。本人の意思による遺言か疑われる可能性がある。死後、家庭裁判所の検認が必要となる。
⑵ 秘密証書遺言
●作成方法
①遺言者が、その証書に署名し、印を押すこと
②遺言者が、その証書を封じ、証書に用いた印章をもってこれに封印すること
③遺言者が、公証人一人及び証人二人以上の前に封書を提出して、自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を申述すること、
④公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名し、印を押すこと
■メリット
遺言内容を知られることがない。パソコンでの作成も可能。偽造や改竄などが防止できる。
■デメリット
費用がかかる。手続きの手間と2名の証人が必要となる。紛失する可能性がある。遺言内容の有効性について確認できない。
⑶ 公正証書遺言
●作成方法
①証人二人以上の立会いがあること
②遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること
③公証人が、遺言者の口授を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること
④遺言者及び証人が、筆記の正確なことを証人した後、各自これに署名し、印を押すこと。ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。
⑤公証人が、この証書がこれらの方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと
■メリット
遺言が無効となる可能性が低い。遺言が公証人役場で保管されるので紛失することがない、偽造・改竄を防止できる。自分で書かなくてもよい。
■デメリット
費用がかかる。手続きに時間がかかる。内容を公証人や証人に話す必要がある。
遺言の執行とは、遺言書通りにその内容を実現するための手続きのことです。
また、相続が発生したときに、遺言書に書かれた内容を実現するための名義変更等の必要な手続きを行う人を「遺言執行者」といいます。相続人といえども遺言執行者を妨害する事はできません。
例えば『A銀行の預金はCに相続させる』という内容の遺言があれば、相続開始と同時にA銀行の預金はCの財産になります。
とは言え、何の手続も経ずにM銀行の預金をAが自由にできる訳ではありません。A銀行の預金名義をCに変える手続きをする必要があります。
この手続きの際に遺言執行者がいれば、その人が通帳や印鑑を管理し、遺産分配の手続きをすることになります。
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